世の中にあるダイエットには間違いが多くあります。
特に「〇〇だけ食べるダイエット」とか、単純に「食事制限ダイエット」、「カロリー制限ダイエット」は大きな誤りがあるのです。
・・・それは栄養が全然摂れないと言うこと。
最初のうちは体重もある程度は減るので、表面的にはいいでしょう。しかし、人間の体は偏った栄養や足りない栄養の状態が続くと、太りやすい方向に進んでいきます。
僕も昔は「納豆だけダイエット」や「バナナだけダイエット」などをしたことがありますが、体重が一時的に少し減るのは嬉しいのですが、なんせ栄養が足りないためパフォーマンスを保てませんでした。仕事中も注意散漫であまりいい状態とは言えなかったです。
今回はダイエット中にも特に大切な「栄養」について説明していきます。
Contents
身体を「必要な栄養」で満たそう
普段の生活をしていると炭水化物やスイーツなどに囲まれています。
そしてそういった方は、「〇〇が食べたい!!」と言う特定の食品に対する強い欲求に襲われることがあると思います。
しかしそのような衝動的な食欲を抑えるのは、難しいことではないのです。簡単に抑える方法があるのですが・・・なんだと思いますか?
それは身体に必要な栄養素で満たしてあげることです。
その身体に必要な栄養素ってなんでしょう?
僕たち成人している大人は、約60兆個の細胞でできていると言われています。その60兆個の細胞が常に新陳代謝を行い、正常な働きをするためには、各々の細胞に「必要な栄養素」が全て十分に揃っているということが大事な条件となります。
このことについて1977年、当時のアメリカ上院栄養問題特別委員会が慢性病と食事との関係について世界的に調査した、有名なマクガバンレポートでも「細胞は栄養素で満たされると、病気にならないようにつくられている」と示されています。
じゃあ細胞はどのくらいの種類の栄養素を必要としているのでしょうか?パントテン酸を発見し葉酸の名付け親でも名高いアメリカ栄養学の権威、ロジャー・ウィリアムス博士は「細胞の生命を維持するためには、少なくとも18種類のミネラル、20種類のビタミン、8種類のアミノ酸が一定量揃い、相互に支えあっている状態で細胞外液に溶け込んでいることが必要である」と述べました。
これらの46種類の必須栄養素が相互に働いて、健康を守っている原理のことを「生命の鎖」と呼びます。この46種類の必須栄養素は、体内で合成することが不可能です。このため、食品などで摂取する必要があります
各栄養素は単体ではうまく働かず、お互いに作用して初めて働くのです。例えば、ビタミンCは単体で摂るよりもビタミンA、ビタミンEと一緒に摂った方がさらに優れた抗酸化力、つまり活性酸素の働きを抑制し、体を錆びつかせない力を発揮しますし、鉄分も単体で摂るよりビタミンCと同時に摂った方が身体への吸収が早いです。
このように46種類の必須栄養素は、まるで鎖のように繋がっており、相互に協力しあって力を2倍にも3倍にもしていくのです。
もしその鎖に1箇所でも細い部分があると、鎖は切れやすくなって、1箇所でも欠けた部分があれば、一つの鎖として繋がることはできません。
一つの栄養素が欠けるということは、それに関連している他の栄養素まで働きにくい状況を作り出し、代謝の異常を招く。その代謝異常が何日も続くと、体に色々な不調が現れてしまうということです。
栄養バランスの整った食生活を行う
頭痛、便秘、冷え症など身体のどこかに不調がある方は、体は食べたものや飲んだものでできているということ、「食」は生命の源であり、生きるために最重要な要素であることを踏まえ、46種類の必須栄養素を考えましょう。
必須栄養素は食事で摂ります。「日ごろから食事には気をつけている」といっても、どれかの栄養素が不足していれば栄養不足になる可能性はあります。
ダイエットを行おうとすると、「カロリーが少ないから」という理由だけで野菜や果物ばかりを食べて、肉、魚、卵などの動物性タンパク質を食事から摂らないようにする人がいます。
これは決してやってはいけないことです。
油脂分の多すぎるバラ肉を必要以上に食べすぎることは避けるべきですが、適度な脂肪がついている鶏胸肉や豚肉、牛肉などは食べるようにしてください。筋肉のいい材料となって働いてくれるはずです。
筋肉は体力の代名詞で、骨や心臓、肺、血管などを丈夫にし、健康を保つ面でも必要不可欠ですが、基礎代謝を上げて体脂肪を燃えやすくするので、ダイエットにおいて必要となります。
またここで脂肪分を完全に除去しようとする方もいますが、これもあまりお勧めできません。適度な脂肪は体の機能を維持するのに必要な栄養です。実に脳の大半が脂肪で出来ているくらいなので、脂肪がほぼ0だとパフォーマンスが低下します。ある程度は摂るようにしましょう。
魚の中でも青魚は痩せるホルモンGLP-1の分泌を促すEPA(エイコサペンタエン酸)や、脳内に入ると満腹物質になって食欲を抑制すると言われるヒスタミンの元、ヒスチジンが豊富に含まれています。
豆・豆製品などの植物性たんぱく質もいいですが、それだけとって肉や魚などの動物性タンパク質を摂らない人もいますが、これはやめてください。植物性たんぱく質と動物性たんぱく質では内容に違いがあります。
僕たちの筋肉、血液、皮膚、髪、爪、内臓はたんぱく質で構成されていますが、たんぱく質の最小単位がアミノ酸です。多くの種類のアミノ酸が組み合わさることによって、様々なたんぱく質が作られます。
各アミノ酸がどれくらい含まれているかを数値化した「アミノ酸スコア」で見ると、肉、魚、卵のアミノ酸スコアは100であるのに対し、豆腐は82、トウモロコシは74、玄米は68となっていて、植物性のアミノ酸スコアは低めです。
アミノ酸スコアは、必須アミノ酸の量と、食品に含まれる必須アミノ酸の量を比較し、たんぱく質のせいのを示したものです。最高値は100で実質100を超えた場合も100とと示されます。そして100に近ければ近いほど体内で効率よく利用できる良質なタンパク質と言えるのです。
このアミノ酸スコアに比例して、体内での利用効率(吸収率)も、動物性タンパク質に比べて、植物性タンパク質は40%程度低いとされています。
両者とも一長一短あるので、動物性タンパク質と植物性タンパク質は良質なものを選んで、それぞれバランスよく食べるようにすることで、両者いいとこ取りをしましょう!
ダイエットが原因の栄養不足には多くのデメリットが・・・
ダイエットによって栄養不足が深刻になると、重い症状を引き起こす可能性があります。今回はその例として代表的な内容を以下に挙げます。
栄養不足による、脳の萎縮
ダイエットで栄養不足に陥ると、早い段階で脳が萎縮しはじめます。脳が萎縮すると、思考力や記憶力、理解力や集中力の低下に繋がります。
一時的な委縮であればすぐに機能は回復しますが、長期に渡った場合に脳は再生に時間がかかり、さらには後で修復しようとしても機能が完全に戻らない可能性もあります。
特に脳が発達する10代で長期の萎縮があると、その後の人生に大きな損失をもたらす危険性があります。
カリウム不足による、心臓への負担
カリウムは体にとって大切な電解質のひとつで、筋肉の働きや心臓を一定のリズムで動かすのに、重要な役割を担っています。
このため血中カリウム濃度が低下すると不整脈が生じやすくなり、重度になると心停止を引き起こす可能性もあります。
カルシウム不足による骨粗鬆症
ダイエットによりカルシウムなどのミネラルが不足すると、骨を生成する栄養素が少なくなり、骨粗鬆症を引き起こします。
骨がもろくなると、骨折しやすくなったり、猫背になったりすることがあります。
たんぱく質不足による脂肪肝
食事で摂った脂肪や糖質は腸で脂肪酸になった後、肝臓で中性脂肪に変えられ、たんぱく質の働きで血液に流れ出していきます。
しかし、たんぱく質が不足すると、肝臓に中性脂肪が溜まったままになり、脂肪肝になってしまいます。
脂肪肝を放置すると、肝硬変や肝臓がんなどの重い病を引き起こす恐れがあります。
まとめ
ダイエットで陥りがちな「カロリー依存症」。
カロリーばかりを気にして栄養を気にしていないのではないですか?実はカロリーはダイエットでは見なくていい数値です。それよりも見るべきはどの栄養素が含まれているか?摂ろうとしているか?と言うこと。
特に僕が見るのは、食べるのを控えるべき「炭水化物・糖質」ととるべき「タンパク質」です。
栄養不足になると、健康に被害をもたらすのはもちろんのこと、長期的に見てダイエットにも悪影響を及ぼします。しっかり栄養をとってしっかり痩せていきましょう。
まだ慌てるような時間じゃない、今日も落ち着いて一本行きましょう。
ではまた。
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